消音器の功罪

消音器の功罪

2015年4月11日
アクセサリー

誰だって、いつでも存分に練習できる環境に憧れます。
映画「ミュージック・オブ・ハート」では「下手な演奏で家族が吐く」という先生の言葉に生徒は爆笑。その後「ほんとうよ」と付け加えていましたが、下手なバイオリンほど迷惑なものはありません。

誰だって上手に弾きたいけど、弾けないので練習する。「全く他人に聞かれずに練習できたら・・・」そんな願いを叶えてくれるのが消音器、弱音器です。比較してみましょう。


最も一般的な弱音器。通称「豚の鼻」。楽譜にこれを取り付ける指示がされていることもありますが、滅多に出会うことはないでしょう。

音量が明らかに小さくなり、音質が柔らかくなります。とりあえずは持っておかなければなりません。


次にプラスチック製の消音器です。
かなり胴の振動を抑えてくれます。しかしちゃんと鳴ってる感覚がありますので楽しく練習できるでしょう。

 


金属製のものです。
さすがに重さを感じますが、消音効果は最大でほぼ、ボディは鳴りません。
もし音が原因でサイレントバイオリンを検討しているなら、この消音器でアコースティックバイオリンを買うことをお勧めします。

ちなみに、これは駒と隙間ができると音がびびってしまいます。私はプライヤーで締めて使っています。駒の厚みはそれぞれなので、仕方のないことです。


消音器や弱音器を使うと、それまでできなかった練習ができるようになります。特に「恥ずかしい」を減らせるのはありがたいです。
これらを使わずに大きな音が鳴ってしまうため、そろ~り練習してしまうとしっかり楽器を鳴らすようになれません。

「弱音器を使うとボウイングが荒くなる」という意見もありますが、便利なものは使えば良いのです。

もちろん楽器は音楽を奏でるための道具なので常に音色や音量を意識することは大切ですが、練習のかなりの部分は機械的な反復であることも間違いありませんし、これで練習できるようになるなら使うべき。
夜しか練習できず、家族に文句を言われながらしか取り組めない我々サラリーマンに、光をもたらしてくれるのです(^^;)。