小指が遠く感じる原因

小指が遠く感じる原因

2018年8月15日
レッスン

特にE線、A線で伸ばさないと届かない。
こんなに小さな楽器なのに、G線よりE線のほうが近いのに、なぜしょう?

以前、このように感じていたときは掌の向きに問題がありました。
人差し指で押さえたとき、掌がネックから離れ自分のほうを向いてしまうのです。

この原因は、「左手でV字を作り、ネックを挟む」。
そのときはそれが正しいと思い込んでいたのですが、こうすると人差し指の付け根をネックにあてがうことになり、近すぎる人差し指を何とかしようと掌を開いたり閉じたり、肘の角度を変えたり小指を伸ばしたりと頑張っていました。

しかし、いくら頑張っても人差し指はE線で掌を左向きに回転させないと押えることができません。

すると小指は指板から離れ遠くなってしまうため、また掌を右回転させ、人差し指を不自然に曲げた形で掌を指板に近付けることになります。

つまり、掌や人差し指、肘がウニウニと変な動きをずっとしているのです。
これに位置移動やビブラートが重なったらどうなるか想像は難しくないでしょうが、特に人差し指と中指が近接する、例えばG-Durでは顕著になり、かなり苦労させられていました。
でも、「練習すれば何とかなる」と信じて無駄な努力を何年もしてしたのです。

この画像ではE線ファ#を押さえていますが、人差し指付け根をネックにあてがっているため、掌が左回転し指板から離れていることが分かります。

今回の本題、小指を近くに構えるためには常に掌は指板側を向いていなければなりません。
人差し指の動きを何とかしなければいけませんが、「左手でV字を作り、ネックを挟む→人差し指の付け根をネックにあてがう」を続けている限り、かなり難しいことが現在の先生の指導で分かりました。

左手の親指だけでネックを支え、人差し指の付け根はネックにあてがわず、常に自由にする。
A線、E線ではネックから離れる。D線、G線ではネックに触れるが、あてがうのではなくフリーな状態。

こうすることで弾く絃に関わらず掌の向き、角度は常に一定で、人差し指も無理なく押えることができ、小指も常に指板の近くに置けます。


この画像は楽器を膝に置いているため不自然ですが、人差し指付け根が指板から離れることにより掌の角度は変わらず指板に近い自然な状態を保っていることが分かります。

この方法で弾き始めたときは、なかなか理屈が分からず大いに戸惑いました。

しかし稀に親指にネックが吸い付くような不思議な感覚があり、そのときの楽器が驚くほど軽く安定したこと、掌を全く動かさず楽に弾けたこと、顎当てが要らないほど全身の力が抜けたことに驚き、数週間その感覚の理由を探し続け、指導を受け続けた結果、これに行きつきました。

現在では「ネックを挟む」ことは弊害が多いと考えています。
また、親指にネックが吸い付くような感覚は弾いているときだけにあることから、「楽器は自転車と同じ。弾いているから安定する」という先生の教えに納得しています。

もし同じ症状に悩んでいるなら、是非試してみてください。
大丈夫。いつでもどこでも戻せます。