無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ中の特に有名な曲がこのシャコンヌ(Chaconne)。
この曲のタイトルのついたフランス映画もあるほどです。
変奏曲の形式ですが、ニ長調の中間部を有する三部形式とも取れます。
音楽的な構成としては、冒頭の8小節に現れる低音の下行テトラコードをシャコンヌ主題とし、種々の変形を受けながらこの主題が32回現われ、そのたびに上声を連続的に変奏する壮大な作品となっています。
Chaconneはブラームスによる左手の練習のためのピアノ曲、ブゾーニによるピアノ曲、ストコフスキーや斎藤秀雄による管弦楽など様々に編曲されています。
バイオリンの独奏曲ではありますが、独りで弾いているとは思えないような錯覚をおこし、まるで宇宙を作るような旋律は全てのバイオリニストならずとも、その世界に魅せられることでしょう。
プロのバイオリニストは必ずと言って良いほどレパートリーに加えていると思われますが、特に千住真理子さんの演奏が好きです。
当時を想像させるような演奏は、バッハとその時代が乗り移ったかのようです。