銘器に魅せられた人々の波乱を描いたサスペンス。
物語はイタリア、イギリス、中国、カナダを紡ぎ3世紀に渡る。
1681年のイタリア。出産で妻子を失った悲しみを抱える職人が生み出した赤いバイオリン。
オーストリアの修道院に渡ったバイオリンは、その後様々な時代、国、人々の運命を渡り歩き、現代のモントリオールのオークションに出品される・・・。
この恐ろしくも悲しくもある物語は、バイオリンに関わる宗教的、政治的な背景、人の所有欲など広く深く感じさせます。
音楽を奏でるための楽器、「ただの楽器」がここまで人の心を狂わせ争いや策略を生む。
私が考えているほど甘い世界ではないのでしょう。
楽器に興味のない人にもお勧めしたい映画です。