悪い癖がつくと治らない?

2015年8月1日
コラム

sdfa-1バイオリンはとても難しい楽器で、熟練の奏者に教えていただくことは必須とも言えるかもしれません。

中には「悪い癖がつくと治らない」と言う人もおられます。しかし、ほんとにそうでしょうか?

何かに四苦八苦していたとして、「こうすれば良いよ」と教えてもらい、たちまち解決したことはありませんか?きっと覚えがあるはずです。

ちょっとしたコツを教えてもらったり、誰かの手本を見て気付き、方向転換することは少しも珍しいことではありません。

また、「癖」と言われているものは大抵、その人の仕草や性格のように長年かけて根付いたものではなく、ちょっとした気付きや指導で修正できるようなものがほとんどです。

例えばたったの半年しか弾いていない奏者の「癖」と言われても、修正できないほどのものとは思えません。今から学習が始まる、といったレベル。

もし、巷に言われるように「治らない、修正できない」ほど深刻な状態だとしたら、逆に正しい弾き方を知った途端「これは良い!」とあっというまにそちらに向いていくでしょう。

プロの奏者もたくさんご覧になると分かりやすいですが、皆、構え方ひとつとっても見事にバラバラです。

会ったこともない誰かの意見に振り回されず、心配しないでどんどん練習しましょう!


そもそも、「癖」って何でしょう?辞書には

『偏って多いほどの(普通でない)仕方を繰り返して、ついた習慣。習慣となっている、偏った傾向・しぐさ。』
『単に、偏った傾向・性質。』

とあります。
習慣付くほどの仕草になるには、何年、何十年もの繰返しがあってこそのもの。始めて数ヶ月でつくようなものは癖とは言いません。
なぜかバイオリン属はこのように敷居を上げ、「気軽に触っちゃいけない」、「下手に手を出しちゃいけない」と脅す傾向があるように思います。

気楽に楽しく、楽器と関わったら良い音楽生活が送れるでしょう。