始めて買ったバイオリン、1年ほど弾いたら、D線、A線の中指、薬指あたりが削れてしまいました。
あまり気にしなかったのですが、そのうち雑音が混ざるようになり、仕方なしに購入したお店へ出すことに。
減り具合にたいへん驚かれましたが、難なく直していただけました。
指版を削って平らにし、絃が離れたぶん、駒も削って下げます。そのとき、意外な質問が。
「駒のアールは今ぐらいで良い?」
「え?」と私。どうやら、初歩の基礎練習では思った絃の隣を弾いてしまわないよう、アールの大きい駒らしいのです。
ある程度鳴れたら扁平に近付けていくと、移絃のとき小さな肘の動きで良くなる。なるほど、では、熟練するにつれ、駒は扁平になると考えて良さそうです。
「では、人並みのアールで」とお願いしました。見ている間に、それこそあっという間に調整していただき、弾いてみると驚くほど弾きやすい。
「もっと早く治してもらえば良かった」と思いましたが、その後一度も指版が下がるようなことがありません。
位置移動が増え分散したこと、強く指板へ押し当てなくなったことが理由でしょう。
当然のことながら、弾けば弾くほど指板は削れていきます。駒も指板も、消耗品と考えたほうが良いでしょう。