- 子供のときからでないと上達しない
- 大人になってからは音感が育たない
- バイオリンは音を出すだけで何年もかかる
- ~~万円以下の楽器は使い物にならない
本来、音楽を楽しむために生まれたはずの楽器を弾きたいだけなのに、こんな都市伝説のような話が常識としてまかり通ることを悲しく思います。
なぜかバイオリン属は、素人にいきなり高度な話を持ち出し敷居を高くあげる人が多いのですが、それぞれについて実際をご説明しましょう。
- 子供のときから始めないと上達しない
全くの初心者が同時に始めた場合、大人のほうが進捗が早い例が多いです。
バイオリンに憧れ、自発的に練習し、しっかり取り組むほうが上達が早い。対して誰かに薦められるままに始めたら、なかなか上達しないのは明らかです。子供か大人かは関係ありません。
- 大人になってからは音感が育たない
何をもって音感というのかも不明ですが、ある能力が年齢によって「成長しない」という学術的な研究結果はどこを探してもありません。
例えば100歳の人が筋力トレーニングをしたら、筋肉が成長したという記録があります。
「音の高さを聞き分ける能力」でしたら今持っている能力でじゅうぶん演奏できますし、徐々に慣れて、ある程度音名など聞き分けることができるようになってきます。
- バイオリンは音を出すだけで何年もかかる
美しい音かどうかは別として、数日以内にバイオリンらしい音が出せます。
- ~~万円以下の楽器は使い物にならない
製作社で行って、社員の前で言えるもんなら言ってもらいたいですね(^^;)。
セットで20万円も出せば生涯使える素晴らしい楽器を揃えられます。
ソリストとしてお金をいただいて演奏を生業とする人ならまた違う視点から楽器を見る必要があるでしょうが、我々のように年収数百万円のサラリーマンが趣味として楽しむためには大抵の場合無縁の話です。
実際のところ、始めてから1~3年でアマチュア楽団に参加し、その年の定期演奏会まで仕上げてしまう人は珍しくありません。
ピアノなどの楽器経験があれば尚更、噂ほど難しい楽器ではありませんし全くの楽器初体験でも楽しんで取組んでおられます。
例えばランニングを始めるの人に対し「フルマラソンを4時間以内で走れる見込みがないなら始める意味はない」、「~歳から走っても無駄」なんてことを言う人はいません。
初めてハイキングに行きたいと言う人に「垂直氷壁でのスタンスは・・・」とか「ビバークする判断の基準は・・」なんて話を持ちかける人もいません。
サイクリングを楽しみたい人に「100万円以下の自転車なんて買っても無駄」、「ツール・ド・フランスに出場する選手の高地トレーニングでは・・」なんて話もナンセンスでしょう。
皆、自分なりに楽しみ成長したいと思って始めますし、それはほんとうに素晴らしいことで、誰に邪魔されるものでもありません。
どこかの誰かが決めた「常識」より、素直な気持ちで楽器を見ていただけたらと思います。