バイオリンに限らず、楽器を演奏するうえで手が大きいことは有利です。ピアノやギターなどでは、弾いたことがなくても想像がつきます。
パガニーニはその大きな手で位置を移動せず第3位置は楽に弾けたと言います。実際の写真を見ると、まるで指板全てを覆わんばかりの大きな掌に驚きます。
このようなことから掌の小さな女性が、「分数バイオリン」を選ぶことは珍しいことではありません。しかしながら、身長145cmを超える大人の方なら通常のバイオリンで何ら問題ないかと思います。
理由に
- そもそもバイオリンはとても小さい。
- 半音をとるとき隣り合った指を近づけるのに案外苦労する。
- 楽器を選ぶ巾が極端に狭くなる。
などがあげられます。
1.バイオリンはとても小さい楽器です。ウクレレと大して変わりません。同じく左手で絃をおさえて演奏するギターやチェロと比べてみると、かなり小さい。
コントラバスなど、頭より高い位置で絃をおさえるほどです。
2.私も手が小さいほうですが、半音をとるとき隣り合った指は密着します。これがけっこう苦労するのです。
五度開いた音をとるときは遠いですが、ひょいっと位置移動してしまえば良く、たいていの曲はこのように弾けます。
それよりも、半音を押さえるほうがずっと難しいと感じています。僕の場合1の指、2、3、と順に上がっていくときはともかく、3、2、1と下がっていくとき、2と1の指が半音だと近づけきれず、音が開いてしまうのです。もう少し楽器が大きければ、と思うときです。
3.楽器を選ぶ巾ですが、分数バイオリンは基本的に成長過程の子供用に使われることが多いです。そのため、フルサイズのバイオリンに比べ店頭でもたくさんの種類を取り扱っていません。
「どうせ分からないし」なんて言わずに、選ぶ過程も楽しんでいただきたいな、と思います。
いかがでしょうか。身体が小さいから小さな楽器、という心配はいりません。フルサイズの気に入った楽器で、演奏を楽しんでいただければと思います。以下は分数ヴァイオリンの販売ページですが、やはりこのように子供用として販売されている例が多いように思います。